現代の暮らしはミネラルが不足している

 現代の家庭の食卓で、何故ミネラルが不足するようになったのでしょう。
①精白された「白い」食べ物が多い玄米や黒砂糖、玄穀の小麦には、ミネラルがたっぷり。ところが精白すると、表のようにほとんどが失われてしまいます。かつては主食で豊富にとれたミネラルがお米もウドンもパンもみな白くなった結果、今では不足がちに。

 
カルシウム
リン
ナトリウム
カリウム
玄米
10 300 1.1 2 250
胚芽精米
7 160 0.5 1 140
白米
6 140 0.5 2 110
小麦粉(玄穀)
24 350 3.1 2 460
薄力粉(1等)
23 70 0.6 2 120
黒砂糖
240 31 4.7 27 1,100
白砂糖
1 0.1 2

3


②精製された塩を食べている海水を天日で乾かしたり、窯で煮詰めて作った本来の塩は、海のミネラルをそのまま含みます。ところが「精製塩」では、ナトリウム以外の大切な微量のミネラルが取り除かれていました。自然の恵みが食卓からどんどん失われています。

③土壌のミネラル分も不足しているほうれん草や人参の鉄分は、45年前に比べておよそ3分の1に。また、昔に比べ、トマトやきゅうりの味が水っぽくなったと感じている方も多いのではないかと思います。これこそ、土壌からミネラルのうまみが失われてしまった何よりの証拠です。

④カタカナ名の欧米食が多くなったカレーライスにスパゲティ、ハンバーグ。海草や小魚、豆類にかわり食卓にはカタカナ名の食べ物が増えました。もともと伝統的な日本食には、お米を精白するかわりに、糖のミネラル分を「糠漬け」でとるなどして、土壌に乏しいミネラル分を補う知恵があったのです。豊になった食生活の中で、ミネラル摂取は逆に貧しくなっているようです。

⑤加工食品、ファーストフードが増えたミネラルなどの微量栄養素は、細菌やカビにとってもおいしい栄養分。そのため保存が必要な加工食食品などでは、製造過程でそのほとんどが失われてしまいます。そうした食べ物が増えればミネラル分は不足するばかりです。  


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